私は今、どんな気持ちなんやろか。
母親が入院することになった。
あれほど、こうならんようにしてきたのに、結局はこんなになる。
病気が怖くて怖くて仕方のなかったお母さん。
今は昔の優しい笑顔なんか、1つも見えず、不安そうな顔をするだけ。
あんなに小さくなって。
あんなに不安がっとるのに
私は何もできんし、何もしてあげんかった。
顔を見に行くのもいつも言い訳をしていかんかった。
行かないかんと思うんやけど、お母さんのものすごい負のオーラに、自分が負けてしまって、仕事にも子供にも支障が出てしまうように思ったから。
もっと行けばよかった。
だけど、いけんかったんよ。
気持ちの整理ができんかった。
だって、そやろう?
お母さんが私を追い出したんよ。
不登校中だった息子と、私と娘を、出ていってくれる?いうて追い出したんやろ?
何でいかないかんの?
私、必死やで。
朝から晩まで必死に働っきょるよ。
電話にでたら、何で暇やと思うん?
私、実家におるときもいっつも夜中の11時ぐらいに帰っよったやろ?
何でいっつも、今日は休み?いうて聞くん?
休める日なんか、ないよ!
女一人が、どなんしたら子供2人を大学に行かせてやれると思うん?
必死で働っきょるやん。
お母さんの話を聞いてあげれるほど気持の余裕がないよ。
なんでそんなに勝手なん?
何でいっつも自分中心なんよ。
いっつも、自分が一番大事なんやん。
私よりも妹よりも、自分が大事なんやろ?
いっつもそうやん。
私は、お母さんからもっと愛情をもらいたかった。
心から感じられる愛情が欲しかった。
何でこんなことになったん?
これからどうなるんやろ。
よくはならんよ。
あんなに強い薬飲んで体がもう限界やん。
歩くんやって、歩けんもん。
お医者さんも薬やって出さんでええのに、お母さんが「なんか治療して下さい。」いうから薬出すしかないやん。
出されるお薬は治験薬ばっかり。
お薬がキツくて2週間に一回飲めばいいだけの薬。
そんなん、お母さんの体に耐えられるわけないやん。
それでも、お薬飲めば治ると思ってるお母さんは先生に頼んでお薬だしてもらって、飲み続ける。
結局、肝臓と脾臓に腫瘍ができて放射線治療になってしもたやん。
今までやってきたん、何だったんよ。
体ボロボロやのに、お薬信じてお薬のんで。
お医者さんは、もうこんでもええですよ。って言うのに、話を聞いてもらいたいから病院に行くお母さん。
お医者さんから「何で来たんですか?」
と言われるから次の日病院を変えて話を聞いてくれる病院にタクシーで行くお母さん。
話相手になってあげればよかった。
だけど、いつも「病気になった人でないとわからんわ。」
といって、いつもケンカになる。
週明けから放射線治療に入るそうです。
あの体で!
歩くこともままならんあの体で!
放射線治療!
私はやめてほしい。
治療せんとってほしい。
元の病気は難病で、治ることはないけれど、それでも、その上科学的な負担を体にかけんとってほしい。
それでもお母さんは放射線治療したら治ると思ってる。
もう、自分で自分をむしばんでいくんはやめて、お母さん。
病気は進んでいくけど、それでも笑顔でおってくれてら楽しいことも増えるのに。
お母さん。
どなんしたらええの。
寂しくて、悔しくて、悲しい。
悲しい。
悲しい。
悔しい。
悔しい。
悔しい。
病気であっても、もっと穏やかな時間を過ごせたはずやのに。
悔しい。
悔しい。
悔しい。
ヨガのお客さんの中にはお母さんより年上の方もようけいてる。
お母さんは25年生まれやからね。
みんな口を揃えて
私は若うないから。
と言うけれど、命を前に、年齢は関係ないよ。
どんな人も、自分の命に一生懸命でないと、私、悲しいよ。
悲しい。
お母さん。
私、どうしたらええの。