「みえちゃん、あなたが上なんやから、しっかりせないかんよ。足、戻して。」

「どこにおるん。はよう、はよ、きて。なにしよん。痛い。痛い。何とかして。」

「みえちゃんでは役にたたんわ。看護婦さんよんで。」

「ちょっと。口がくさいわ。にんにくくさい。気を付けて。」

お母さん、にんにくなんか食べてないよ。

さっき、お母さんがコーラを飲みたい。いうて、一緒にみえちゃんも飲みなさい。いうたけん、一緒に一口コーラ飲んだだけやん。

何でそんなこと言うん。

最後まで、私はどなんしたらええかわからん。

私が泣いてたら、お母さんが

「ごめん。ごめん。余計なこというたね。ごめんよ、みえちゃん。」

いうてくれたけと、涙がポロポロとまらんのよ。

でも、さっき笑ってお母さんの前に行ったらお母さんも笑ってくれて、また、涙がポロポロとまらんの。

聞きたいことや、言いたいことは山ほどあるのに、言葉になってでてこんの。

これが、最後で、今は確かに生きとるお母さんが目の前におるのに、何もできんの。

なんや。これ。

どなんしたらええか、わからん。

投稿者: 山本 美枝

香川県高松市を中心に活動する、ヨガ、ピラティスのインストラクターです。 エミーライフ株式会社 代表取締役/d.branch studio (ディー・ブランチ・スタジオ) 代表

©2016-2023 Mie Yamamoto