行ってしまった

息子が行ってしまった。

ありがとう。と一言、残して。

あんなに小さかった子が

自分で選んだ道をこれからは一人で生きていくのかと思うと、とても寂しく…ううん、何だろう、この私の気持ちは。

電車が去って行くのを見ながら

飛び立とうとしている子を、親の勝手な気持ちで引き留めておくのもそれは親のエゴだなぁと思いながら…

大学まで。

大学に入れてやるまでは私の仕事。

その後、大学からは息子に全てを任せると決めてずっと過ごしてきたので、私の中で、今日はある意味、子育て卒業の日です。

だけど、どんなに離れていても、年を重ねても、子どもはいつまでも私の中で子どもなんだなぁ感じました。

分娩中、最初は頭が大きくてなかなか出てこなくて、助産師さんが

「いきむの今は止めたらダメ!」

って言われたけど、止めちゃったり

母乳も、お姉ちゃんは上手く吸えずに粉ミルクになってしまったから、私の体が悪いのかと思っていたけれど、息子はゴクゴク容赦なく、私の板のような胸から、必死に母乳を吸い上げ、自分で命をつないでいたり

いつも転けてばっかりで

この子は歩くより転けて進むのか。と思うほどだったり

三輪車のブレーキは、足のつま先を地面にこすって止まっていたので、靴を買っても一日ともたなかったり

あの子はとても優しく、あの子を抱っこして、背中をトントンたたいてあやしていると、2~3才の小さな手で、私の背中をたたき返してくれたり

あるときは近所のお母さんが

「今日、うちの息子が山本さんのところの息子さんに、転けて泣いていた所を公園で膝の上に頭をのせてヨシヨシ慰めてくれたんです。ありがとうございます。」

と、家まで訪問してお礼を言われたり

戦隊ごっこをしていて社宅の小さな子が一人、新聞でつくった剣が足りず、手ぶらで戦っていたら、息子がじぶんの剣を渡して息子は一人素手で戦っていたり(それも近所の人が報告してくれました😌)

幼稚園の時には私と大げんかして、家の外に放り出そうとしたら、息子も必死で壁と壁の間にまるでつっかえ棒のように突っ張って、私がどんなに力を入れてもびくともしない固さで、最後まで踏ん張ったり

倉庫に指をつめてボタボタ血だらけになってなぜか息子ではなく、娘が大泣きしていたり

不登校になった最初の頃、私の帰宅を何時までも待って

私が夜中にパソコンを仕上げていても、ママと一緒に寝る。と言って待っていて、最後の寝るときに「待ってくれてありがとうね。」と言ってぎゅっと抱いてやると、

「ママ、いい匂い。」

と言って安心して寝たことがあったり

喧嘩をして壁をたたいて、壊れそうだったり

駅のホームで

「ありがとう。」

と言える優しさだったり

ほんとにいい子に育ってくれました。

これからは、あの子と会った時に、恥ずかしくないよう私も成長していかないと。

体力は落ちているから、もっと精神的に落ち着いて、あの子が帰ってきたときに、やっぱり俺の母さん、すごいな。と思ってもらえるよう、成長しなきゃ。

ありがとう、息子ちゃん。

あなたのおかげで、私は毎日、幸せに過ごすことができました。

今まで一緒に過ごした毎日は、宝物のような毎日でした。

本当に

ありがとう。

投稿者: 山本 美枝

香川県高松市を中心に活動する、ヨガ、ピラティスのインストラクターです。 エミーライフ株式会社 代表取締役/d.branch studio (ディー・ブランチ・スタジオ) 代表

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